セミナーの開催、ありがとうございました。
私の居住地域には、介護家族会がないようです。地域包括支援センターでは、介護に関わる方が集まれるような機会を設けていることはあるのでしょうか?
私は現在、要介護の両親と同居して介護をしています(両親はデイサービスを利用中です)。このような同居介護の状況から少し抜け出すための第一歩として、地域包括支援センターへの相談が適切でしょうか?
なお、担当のケアマネジャーからは、「生活援助サービスの利用は難しい」と言われています。ケアマネジャーを交代したいと考えていますが、要介護者である両親が反対している場合、どのように進めればよいでしょうか?
さらに、親戚(姉妹を含む)や周囲の方からの口出しに対して、どのように対応すれば良いか、参考になる事例があれば教えてください。
世帯分離を検討しているのですが、実際に介護者である私が別居した方が良いでしょうか?また、世帯分離後は役所などでの申請や手続きのたびに委任状が必要になるかと思いますが、両親は文字を書くことが難しくなっており、そのたびに委任状を書くのはかえって負担になってしまいます。こうした点について、何か有効な対策があれば知りたいです。
加えて、もう一点ご相談です。
私は現在、派遣社員として勤務しています。職場のご理解はとてもあり、現在は問題なく働けていますが、非正規雇用であるため、今後両親の状態が変わった場合に契約が終了してしまう可能性も高いと感じています。
非正規雇用の立場でも、仕事を継続していけるような支援体制や制度があれば、教えていただきたいです。派遣元のサポートは十分とは言えず、やむを得ないとは思うものの、不安を感じています。
よろしくお願いいたします。

この度はセミナーにご参加いただき、また貴重なご意見をお寄せいただきありがとうございました。セミナーでは一般的な内容をお伝えしているため、ご家庭の状況にはそぐわない点もあったかと思います。ご不安にさせてしまった点がありましたら、心よりお詫び申し上げます。今回のご質問は、真摯に聴講してくださったうえでの貴重なご意見でもあると受け止めております。
さて、現在、ご相談者様が多くの課題に直面されているご様子が、文章の端々からも伝わってまいりました。非常にご負担の大きい状況かとお見受けいたします。
全体として事情がやや複雑ですので、まずは大前提として、地域包括支援センターや介護保険課に、ご家庭の背景も含めて改めてご相談されることをおすすめいたします。
以下に、実際にご家族の状況を拝見できていない立場からにはなりますが、何かのヒントになればという思いで、いくつかのポイントをご案内いたします。すぐに全てが解決するわけではないかもしれませんが、少しでも参考にしていただければ幸いです。
① 家族会について
地域によっては「家族会」が設けられていないこともありますが、「家族向け介護講座」や「認知症カフェ」などのかたちで、介護者同士の交流の場が開かれている場合もあります。また、近年ではSNSなどを通じて介護を担う家族とつながり、日々の気持ちを共有する方も増えています。そうした場を探してみるのも一つの方法です。
② 生活援助サービスについて
同居の場合の生活援助サービスの利用については自治体によって判断が異なりますが、もし介護保険サービスの利用が難しい場合は、民間サービスの活用も一案です。実際、多くのご家庭では、大手スーパーやドラッグストアの配達サービス、宅配弁当の利用により、日々の買い物や調理の手間を減らす工夫をされています。
③ ケアマネ交代について
ケアマネジャーの交代は制度上、いつでも可能です。ただし、交代には新たな事業所の選定や契約手続きなど、一定の手間も伴います。まずは、まだ伝えていないお気持ちがあれば、不満に感じている点や、ご自身のご負担の大きさを、現在のケアマネジャーに率直にお話しされてみてください。
それでも状況が改善しない場合には、地域包括支援センターに交代を検討している理由とともに、希望するケアマネジャーのイメージ(年齢層、性別、対応エリアなど)を伝えるとよいでしょう。介護の継続が難しいと判断されれば、ご両親のご意向も含めて、地域包括支援センターが調整を行ってくれるはずです。
④ 世帯分離について
制度上、同一住所でも世帯分離は可能です。署名に関しては、書体が明確でなくとも、ご本人の意思が確認でき、氏名がある程度判別できれば問題ないとされるケースが多いです。また、最近では、デジタル化推進により押印や自署の省略が進められていますので、「署名手続きを簡略化できるものはないか」と役所に確認してみるのもおすすめです。
なお、手続き自体を外部に任せたい場合には、一定の手続きと費用はかかりますが、「日常生活自立支援事業」や「成年後見制度」の利用を検討する方法もあります。
⑤ 両立の支援制度について
職場外で利用できる制度や相談窓口を活用することが一つの手段となります。以下の厚労省のサイトでは、都道府県労働局(雇用環境・均等部)などの相談先をご確認いただけますので、困ったときにはご活用ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/index.html
なお、介護を理由とした離職は、ご本人だけでなく、職場や社会にとっても損失であることに違いありません。
まずは「仕事を続ける前提」を軸に、「自分が倒れないために、できる介護はここまで」という線引きを確認しながら、介護サービスを活用する方針を持っていただければと思います。
繰り返しになりますが、まずは「このままの介護を続けていくのは難しい」と感じておられる今のお気持ちを、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに率直にお伝えください。
少しでも「こんな考え方もあるのかもしれない」と思っていただけるきっかけになれば幸いです。必要があれば、またいつでもご相談ください。
